「ムーアの法則」と「パラダイス鎖国」
過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) 池田 信夫 (著)
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パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)海部 美知 (著)
このふたつの本を読み合わせることでさらに「パラダイス鎖国」の意味を理解することができました。
「パラダイス鎖国」とは日本の国内市場にある程度の大きさがあるために、リスクの大きい海外より国内向けに投資をしてしまう心理を言います。これが転じて、海外旅行や海外勤務に消極的になっていく若者や、国内の情報だけに満足する人々の行動を指します。
つまり国内が居心地の良い「パラダイス」であると同時に海外との交信を絶とうとする「鎖国」を合わせた造語です。
私くらいの世代であれば海外旅行そのものがある意味ステータスであり、現実逃避には最高の遊び方だと思っていますが、現在の10代20代の人たちはそうは思わないようです。
確かに昔より(とはどれくら昔かあいまいですが・・・)、海外とくに欧米に対して憧憬と劣等感のようなものがありましたが、今となっては欧米の都市は治安が悪く、町が汚いし、日本より優れているかというと、日本の都市の方が清潔で安全なのは確かかもしれません。
また文化的にも欧米より発達していることが、近年の「国家の品格」のような書物にも見られるように、日本の素晴らしさが見直されてきていることから、海外への憧憬や劣等感は昔ほどなくなったように思います。
そうするとパスポートを取って、航空機を手配して、税関を抜けて、出国入国手続きをして、海外に行く労力とコストを考えれば、海外に行くより、より深い国内旅行を楽しむ方が有意義かもしれません。
しかし、それでも海外に行きたいって思う私などは既に、昭和の産物なのでしょうね。
海外旅行の良いところは、知らない文化や風景に出会えるだけでなく、ある程度の緊張感と、日本と全く違うルールで生活を送る人々にカルチャーショックを味わうことができることに魅力があります。一番良いのが言葉が通じないことで、これが非日常という現実逃避と、新しい自分を知ることにつながります。また長く海外に滞在すると、日本を外側から見ることもできるので、それこそ世界観が広がります。
この本を読んでからかれこれ半年以上たつのですが、そうこうしているうちにムーアの法則にも終わりが見えてきているという記事をちらほら見るようになってきました。まあ物理的に原子レベルでどうしようもなくなることはだいたい想像がつくのですが、いよいよ技術的にそのレベルまで来たということでしょうか?
昨今の円高で海外旅行が格安になり、海外に行くには有利な条件が揃っていますが、やはり海外に出たがるのはアラサー、アラフォー世代が多いように思われます。この度の金融不安でも、パラダイス鎖国はまだまだ拡大する傾向にあるように思えます。
ムーアの法則が続かなくなるということ、パラダイス鎖国が拡大するということ、今後の先行きはますますわからなくなる一方です。

