暫定是率の行方と不動産の買い時
藤井財務相がガソリン税など自動車関連諸税などの暫定税率を2010年度に廃止する事を明言しました。
暫定税率は租税特別措置法で国税を暫定的に特別な税率にすることを一般的にこう呼ぶだけで、実際はいろんな税が絡んでいます。ガソリン税など自動車関連の税もこの一部に過ぎず、相続税や登録免許税なんかも暫定税率がかけられています。
昨年3月末にいったん切れた暫定税率を自民党が復活させたわけですが、昨年5月に住宅の購入手続きをした私としては、自動車関連税より、登録免許税など不動産取得に関する暫定税率がどうなるのか冷や冷やしたものです。
そのときは暫定税率を暫定的に維持するというわけのわからないつなぎ法案のおかげて5月末まで自動車関連税以外の税率は維持されました。特に登録免許税が本来2%のところ、暫定税率のおかげで1%だったわけです。これは地価の登録の移転に伴う登録免許税ですが、例えば1500万円の土地を買う場合は15万円も変わってきます。ガソリン税がたかだかリッター25円下がったくらいでは、この15万円を取り戻すまで1月30リッター(現在でも25リッターくらいしか使っていないのに)のガソリンを使い続けて15年以上もかかる計算になります。とにもかくにも自民党の官僚主導型政治のおかげで?暫定税率のまま、不動産を取得できたわけです。
というわけで自分のなかで整理するためにも、今回の暫定税率廃止と不動産取得に関してまとめてみようと思い書いてみました。今後、不動産を購入しようとする人は参考に・・・なるかな?
とりあえず、2008年3月末のときみたいに、ガソリン税の減税に隠れて不動産関連税が増税されるのかどうかいろいろググッてみたのですが、どうやら藤井財務相が2010年に廃止するのは自動車関連税だけのようで、登録免許税は関係ないようです。
というのは民主党のマニュフェストに
「目的を失った自動車関連諸税の暫定税率は廃止する~(中略)~【具体策】ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率は廃止して、2.5兆円の減税を実施する。」
と書いていたので、どう考えても自動車関連税の減税だけというわけです。そうすると増税しないで、減税だけってわけですね。
財源がどうだとかいろいろ議論はありますが、とにかく、自動車関連税をやめて一般財源のなかで道路事業も運営していこうという考えにはいたく賛成です。これで道路特定財源にぶら下がった自民党系の建設ゼネコンやら官僚の天下りやらに垂れ流す税金の流れを一度断ち切ることができるのでしょう。必要な税金は一般財源の別のルートから補填すればいいだけです。
昨年7月ごろに、道路特定財源を断たれ、発注したくても予算が付かず仕事がなかなか片付かない国土交通省の一職員からこんな愚痴を聞いたことがあります。
「道路特定財源なんてどうでもいい。一般財源でもなんでもいいから予算をつけてほしい」
つまりこれが核心をついていると思いますが、末端の行政職員には財源はどうだっていいわけです。しかし、予算を執行できなければ仕事を遂行できない。これは現場の職員には切実な問題です。そして職員が職務を遂行できないということは、国民に対して行政サービスができていないということで、つまり税金が正しく国民に還元されていないということです。
行政の多くは必要な税金で運営されているわけですが、民主党の方針では(だけではなく大阪府の橋下知事の予算執行もそうでしたが)とにかく一律で税金の投入を削減し、そこからさらに不必要な仕事を削っていくという方法です。これって逆にとらえると今までまじめに必要な分だけコツコツ予算を執行してきた部署がバカを見るだけです。どうせそうなるならもっとジャブジャブ税金つかっときゃ良かったということになるような気がします。少なくとも私のように人間が小さければそう思います。
ん?でももしかしたらそんな真面目な部署は皆無なのでしょうか?そういえば先日、森田知事が明らかにしたことですが、千葉県の全401部署のうち383部署の約96%で不正経理が発覚したという記事を見かけましたが、これじゃほとんど皆無ってことになりすね。公務員ってそんなもんなんでしょうか。まったく頭にくる話です。
さて、随分話題がそれましたが、暫定税率です。不動産の新規取得に大いに関わってくる登録免許税ですが、国税局のHPでは「所有権の移転の登記」のうち「その他の原因による移転の登記」の課税対象となる「不動産の価額」には次のようなことが書かれています。
1,000分の20
ただし、次の期間に受ける土地の売買による所有権の移転の登記については次のとおり。
平成18年4月1日から平成23年3月31日まで
1,000分の10
平成23年4月1日から平成24年3月31日まで
1,000分の13
平成24年4月1日から平成25年3月31日まで
1,000分の15
ということは平成26年度までに登録免許税の暫定税率も段階的に廃止されるという理解でいいのだと思います。
つまり現在の暫定税率の1%は平成22年度末まで継続して23年度は1.2%、24年度は1.5%、そして25年度以降は「暫定」は消えて本来の2%の税率に戻るということです。
こう考えると不動産、とくに土地の取得に関してはできるだけ早いほうが良さそうです。平成23年には国債の大量償還の期限を向かえ、銀行金利が上昇することも考えられます。また平成24年にはロンドンオリンピックがあり、日本がどうかはわかりませんがオリンピックイヤーには世界経済がだいぶ回復してくるはずです。景気が良くなることは歓迎ですが、構造的不況に陥る日本が世界経済と同じくして景気が回復するか疑問な上に、金利や輸入材の価格上昇が考えられ、さらに円高が追い討ちをかけると不動産の価格上昇が避けられないように思います。
昨年の北京オリンピック直前の時期に家探しをしていると、金利の上昇だけでなく、鉄鋼原料や輸入建材の価格高騰もあいまって、今後どんどん不動産は買いにくくなるという噂が流れていました。しかし、その後リーマンショックに始まる世界的金融危機のために金利は急降下、経済は冷え込み、価格高だけ残った不動産在庫があふれ、ついにアウトレット不動産といわれるような現象まで起こり、不動産価格は下落しました。
なので、一概に今後不動産が取得しにくくなるかどうかはわかりません。もしかしたら民主党政権が不動産取得に関してもなんらかの優遇措置を講じることも考えられます。そうなってくると暫定税率だけの要素では不動産取得の是非は考えられません。
私が不動産を購入した経験から言えば、不動産は自分が買いたいときが一番の買いの時期だということです。気に入った物件があるのならなおさらのことです。さらに過去を見て「あのとき買っておけばよかった」と言って今買わないのは意味のない行動です。また将来を見て「もっと待った方が得だ」と思って気に入っていた物件を買わないのも要注意です。以前お金は箪笥に預けるなで紹介した本で、ワークライフバランスのためにマンションは買ってはいけないというようなわけのわからないことを読んだことがありますが、不動産を資産として運用する人にとってはそうでしょうが、庶民にとってはマンションは住むために買うので、気にいった物件なら買うべきです。要は将来金利がどうなるとか、世界経済がどうなるとか、不動産価格がどうなるとか、結局そんなことは今回の金融危機でそうであったように、経済の専門家でも、アラン・グリーンスパンでもわからないことなので、一庶民が周囲の少数の意見に振り回されて、世界にひとつしかない「不動産」を手に入れられないことの方がよほど不幸だと私は思います。
逆に周囲の意見やWebの書き込みを信じて「不動産は今が買いだ」と踊らされて必要かどうかわからない不動産を買いに走ることも不幸を招くことになるでしょう。
不動産価格で近い将来を予測できるのは、はっきり言って税率ぐらいしかないのではないかと思います。それでも今回の政権交代で近い将来でさえ税率がどうなるかわからなくなってきました。
なんだか自分の頭を整理するために書いていたのですが、余計わけがわからなくなってしまっただけですね。なので、暫定税率も含め、一庶民には将来の予測はできないので「不動産は自分が買いたいときが買い時だ」ということだけは言えそうです。


